新型コロナウイルスによりさまざまなところに「ひずみ」が生まれ、多くの方が大変な日々をおくられていると思います。

4月7日に緊急事態宣言が発出され、感染拡大は全国的に低下傾向がみられます。しかしながらまだまだ感染経路不明の患者さんが東京・大阪中心に多数見られ、緊急事態宣言は1か月間延長されました。

日本は世界の国と比較して、死亡数がかなり少なく感染者の2.97%(海外では10%を超える国も多い)です。東京では、無症状や軽症の人がかなり多く存在するとすると考えられており、実際の死亡率はもっと下がることになります。5月に結果が出る抗体検査によって、ある程度の広がりは見えてくると思いますが、かなりの人がすでに感染していたと考えます。

しかしながらその割に死亡数は少ない現状があります。医療体制がまだ保持されていることもありますが、介護施設や高齢者施設での感染予防をかなり気をつけていただいているのが大きいのではないかと思われます。

コロナウイルスは感染者の年齢でかなり性質が変わります。若い人にはインフルエンザ程度の症状で済み、ほとんどの人が治癒します(日本では20代以下の死亡率は0%、30歳代0.096%、40歳代0.26%、50歳代0.58%)。一方、60歳を超えてくると徐々に致死率はあがり(60台1.9%、70台5.8%)、80歳以上だとかなり死亡率は上がります(80台以上13.6%)。日本で死亡者数が少ないのは介護施設や高齢者施設の方の努力のたまものだと思っています。

今後も高齢者や基礎疾患がある方の予防は大変重要です。

今後いつまでこのコロナウイルス対策が必要かと言われると最低半年から1年は必要と考えます。いったん収まってもまた海外から入ってきてしまうためです。

ワクチンができるまではある程度の制限は続くのではと思います。

ただいつまでも(半年や1年)この全面的な自粛を続けることは、さまざまな面からも難しくなってきます。こどもの成長に大切な同世代のかかわりや学業の機会を奪っており、特に新しい環境に身を置く子供たちにとっては、いつまでも始まらない学校に不安が強くなるばかりでしょう。家でずっといるのは、こどもも大人も現実的にはかなり限界に近くなっていると思われます。公園などで集まらないよう言われておりますが、個人個人であれば感染するリスクは低く、長期戦のことを考えると、外の空気を吸うことは必要だと思います。

今後抗体検査などで若い人の致死率がインフルエンザと比較してそれほど高くないことが判明し、医療崩壊が起こらない程度に感染者が減少すれば、ある程度ウイルスと付き合っていきながら、緩やかに制限を解除して、若い人の活動を再開する時期を模索していく必要はでてくると思われます。

日本小児心身医学会にこどもの遊び応援や学び応援などのHPがあります。 http://www.jisinsin.jp/index.htm

日本小児科学会でも https://www.jpeds.or.jp/modules/important/index.php?content_id=23 イライラしときの親のかかわり方などの説明があります。

ぜひ参考にしてください。