mRNAワクチンは新型コロナウイルス蛋白の一部(抗原)を産生するように設計されています。この抗原に対して体内の免疫細胞(B細胞、T細胞などのリンパ球)が反応し、中和抗体が産生されます。

① mRNAは設計図のようなものです。細胞内に取り込まれると、細胞質内(核の外側です)にあるリボソーム(タンパク質産生工場のようなもの)で、この設計図をもとに抗原を産生します。決して核の中に入るわけではありません。

② この抗原が細胞表面に提示されることによって、CD4+ヘルパーT細胞、CD8+細胞障害性T細胞が活性化されます。

③ CD4+ヘルパーT細胞はB細胞を活性化し、中和抗体を産生します。この中和抗体が新型コロナウイルスの表面抗原と結合し、ヒトの細胞にウイルスが感染することを防ぐことにつながります。

④ CD8+細胞障害性T細胞はウイルスに感染した細胞を排除してくれます。

 

さて、ここで大事なのはmRNAは細胞質にあるリボソームで翻訳されるのであって、核内に取り込まれ、ヒトDNA(身体の設計図)に組み込まれることはありません。

DNAからmRNAは作られる仕組みはありますが、この情報の流れは一方通行です。精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることもまずありません。

mRNAそのものや作られた蛋白(抗原)は数分から数日で分解され、消失することもわかっています。長期に残ることはないので長期的な影響もないと言えます。

そもそも風邪などのウイルスもRNAやDNAのウイルスであり、ウイルスRNAやDNAを私たちの細胞を使って増殖します。RNAやDNAは風邪などのウイルスを介して私たちの体に入ってきているのです。風邪をひいて10ー20年後に何か長期的な影響があるかと言われれば限りなくゼロに近いことがわかると思います。風邪をひくたびに私たちの遺伝情報(DNA)が書き換えられるようであれば、生物として生きてはいけないでしょう。それほど核の中にあるDNA情報は守られているのです。(ただし強い放射線被ばくではDNAが損傷することはあります。)