①米国では870万回のワクチンが5~11歳に接種されている。接種するmRNAの量は大人の1/3量。3週間間隔で2回接種。

②副反応は発熱が1回目接種後7.9%、2回目13.4%(大人よりはやや少ない)。心筋炎報告は11例(0.00012%)で、全員回復。

③発症予防効果は従来株で90.7%と報告されている。オミクロン株に関しては十分なデータはまだこれからですが、米国ニューヨーク州における研究では、2021年12月13日~26日における5~11歳の感染予防効果は約69ー73%となっています。

 

以上をふまえると、安全性に関しては接種含有量が大人の1/3であり、副反応割合も大人より低いため、許容範囲でしょう。

メリットに関しては ①重症化予防 ②感染予防(7割程度) が考えられます。

①に関しては、もともと健常な小児は重症化しにくいため、高齢者と比較するとやや少ないです。基礎疾患がある児(肥満、呼吸器疾患、悪性腫瘍、神経疾患、心疾患、免疫不全、早産児など)に関しては重症化予防のための接種意義はあると考えます。

②に関しては、学校や習い事で感染する児が多く、子供から大人や高齢者に家庭内感染が広がっているいことをふまえると、感染予防のための接種意義はほぼすべての児にあると考えます。オミクロン株のデータはまだ不足していますが、他のデータ(90%程度の発症予防効果)からは接種後一定程度の予防効果があることは間違いないでしょう。(3回目のブースター接種は必要になると思われます。)

以下は小児科学会の見解です。

国内における小児のCOVID-19感染者の大多数は軽症ですが、酸素投与などを必要とする中等症例は散発的に報告されています。今後、全年齢において感染者数が増加した場合には、ワクチン未接種の小児感染例が増加し、小児の中等症や重症例が増えることが予想されます。5歳から11歳の承認されたワクチンはファイザー社製のみです。同ワクチンは大人のワクチンと比べ、含有されるmRNA量が1/3の製剤です。海外では、5~11歳の小児に対する同ワクチンの発症予防効果が90%以上と報告されていますが、新しい変異ウイルス(オミクロン株など)への有効性を示すデータは十分に得られていません。
米国では、2021年11月3日~12月19日までに5~11歳の小児に約870万回のファイザー社製ワクチンが接種され、2回目接種後、局所反応(筋肉痛など)が57.5%、全身反応(倦怠感など)が40.9%に認められ、発熱は1回目接種後7.9%、2回目接種後13.4%に認められました。尚、心筋炎の報告も11件と判断されましたが、全員が回復しております。5~11歳の小児では16~25歳の人と比べて一般的に接種後の副反応症状の出現頻度は低かったと報告されています。