食物アレルギーを含むアレルギー疾患は遺伝的な素因も大きいですが、発症率を下げられる事も分かってきました。

ポイントは2つです。

① 出生時より皮膚をきれいに保つこと。

② 離乳食を遅らせないこと。

口から入った食べ物は免疫寛容といって身体が慣れ、アレルギーになりにくいことが分かってきました。母乳育児より混合育児の方がミルクアレルギーは少ない傾向があるのはそのためです。

荒れた皮膚から食べ物の微量な抗原が侵入してくるとアレルギー発症のリスクになります。これを経皮感作といいます。

最近は赤ちゃんの沐浴もガーゼではなく手で洗うことが勧められるようになってきたのもそのためです。

皮膚が荒れないためには日々の保湿と、乳児湿疹などで皮膚が荒れ炎症が起きた時はに早めにステロイドを使用して早期治療することが大切です。

離乳食の時期はいつがいいのか。これも昔から議論がありますが、食べている姿をみて口を動かすようになったり、よだれがでるようになったり、スプーンを舌で押し出さなくなれば、5か月になったら早期に始めるのがよいとされています。卵は6か月くらいから始めましょう。それ以上早くてもアレルギー発症率が上昇することも知られています。

ただしアレルギー症状が出た場合は一旦中止して受診するようにしてくださいね。一旦中止して腸管の成熟を待つ方がよい場合があります。食べて治す治療(緩徐経口免疫療法といいます)もありますが、危険を伴いますので個人判断ではされない方がよいと考えます。