こどもの発達を考えるうえで、3つの軸が重要です。
①認識(理解)の発達:探索行動が推進力となって、人間世界を知っていく
②社会性(関係)の発達:愛着行動が推進力となって、人と社会的な関わりを学んでいく
③自己制御力(意思)の発達:人間世界では衝動や欲求のまま行動することはできない。社会的な約束やルールがある。しつけや学習を通して育まれれる、行動(欲求や衝動)を能動的に制御する力。アクセル(実行)とブレーキ(抑制)がある。
それぞれの発達は密接に関係し、支えあっている。
②の社会性の発達も意味や約束を通して社会とかかわるため、意味や約束を理解する認識の力①も必要。
③の自己制御力は社会的な学習による力であるから、社会性の発達②が遅れると制御力の伸びは遅れる。また適切な制御には状況や規範を認識する力①が必要であり、それが遅れると③も遅れる。
発達には必ず個人差がある。平均付近が多く、そこから離れるほど少なくなる。
その子に脚力がどれくらいあり、どのあたりに到達しているかを知ることが本人の特性をしる第一歩となる。
発達障害(今は神経発達症といいますが)とは、個体差として主に②と③が平均的な水準に達しておらず、社会的に困難さがあるものと考えられている。