新型コロナウイルス(COVID-19)は感染者の75%は他の人に感染させていないことが知られております。ただ感染者が3密の状態にいると感染力が18.7倍になるとのデータが出ており、感染拡大の決め手はやはり「3密(密閉、密集、密接)」にいるかどうかということになります。

 

学校ではある程度の換気がされております。換気された場所では感染しにくいわけです。学校で感染が広がってしまうという可能性は低いと考えられております。オーストラリアでは学校での2次感染率はわずかに0.23%でした。このあたりはインフルエンザ(子どもの流行→大人の感染)と大きく異なることになります。子どものコロナウイルス感染は家族内がほとんどで、大人からの感染です(大人の流行→こどもの家庭内感染)。学校閉鎖や学級閉鎖の効果がインフルエンザ等に比べると明らかに低いというデータも世界から出ております。

 

ウイルスが感染しやすい時期もわかってきました。ウイルス培養(生きているウイルスが検出される)期間は発症後8日まで。6日が経つと接触者(家庭内接触も含む)であってもほぼ感染しないこともわかってきました。最も感染しやすい時期は発症0.7日前で、実に44%は発症前に感染させていることがわかっています。だからこそ無症状の人も3密のところではマスクが必要です。症状が治まり、発症後10日(8日+2日間の猶予)が経てば人にうつすことはまずないでしょう。学校への登校、仕事復帰も大丈夫です。

 

幼児(小児においても3密以外では不要)においてはマスクは基本不要です。そもそも感染の中心にいないこと、呼吸がしにくくなること、熱中症になりやすくなること、お互いに表情の変化が見えにくくなること、逆に気にして顔を触る回数が増えること、食事や水分摂取時に適切に保管できないことなどがあげられます。

 

感染対策を徹底していてもゼロリスクにすることは不可能です。感染リスクゼロを求めるのではなく、特にリスクが高くなる状況をさけ、インフルエンザ並みの過不足ない感染予防(十分な睡眠と適切な食生活、適切な手洗い、咳エチケット、感冒症状があれば無理せず休む)をすることが大切です。それ以上は不要です。そして誰もが感染する可能性があります。それは風邪もインフルエンザも同じです。感染してもインフルエンザ感染者と同じように感染者をいたわる気持ちが大切です。10日経てばうつらないのですから、絶対に差別をしないこと、まずは大人から。